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「大学職員のためのインストラクショナルデザイン入門」セミナーを実施しました

2017年6月29日、大学職員の方を対象に
「大学職員のためのインストラクショナルデザイン入門」
セミナーを開講いたしました。

大学では、これまで教育は主に教員の役割とされてきました。
もちろん今でも教育の中心は教員が担うという現状は変わりませんが、
 ・「新しい科目を作ることになり、その支援をすることになった」
 ・「学生とのプロジェクトを担当することになり、グループワークなど設計が必要」
 ・「授業支援を行うことになった」
 ・「地域の子供たちを対象とした公開講座の先生をすることになった」
 ・「人事研修を担当することになった」
など、職員のみなさまが「教える」ことに携わる機会が増えてきています。

そこでQuonAcademyでは、昨年よりインストラクショナルデザイン、
つまり教えるための技術と理論を学んでいただくためのセミナーを実施しています。
セミナー講師は、早稲田大学人間科学学術院教授 向後千春先生です。

セミナーは、まずインストラクショナルデザインとは何か?
その概要についてご紹介するところからスタートしました。

「教える」=教員の仕事と思いがちですが、
ふと日常を振り返ると、私たちの誰もが「教える」ことを経験しています。
例えば子供に自転車の乗りかたを「教える」こともそうですし、
後輩や部下に業務を「教える」といった経験をみなさまもお持ちではないでしょうか。

教えることの難しさは、教える側がどんなに熱意をもって接しても、
効果が出なければ良い教え方とはいえない、ということです。
ワークで「上手な教え方」とはどういうことかを、あらためて
参加者のみなさまに考えていただきました。

そのうえで、どういった能力を伸ばすべきか、
そのためにはどういった点に気を付けなければならないか、
身近な例を交えながらポイントを押さえていきました。

セミナー後半では、向後先生のよる「模擬授業」が行われました。
科目は「統計学(検定)」です。

途中、オレンジと白の2色のピンポン玉を使った実験(サンプリング検査)を行い、
「ピンポン玉40個から無差別に選んだ5個のうち、
 オレンジのピンポン玉がどれだけでたら、2色は半々でないと言えるか?」
参加者のみなさんは学生になったつもりで、
真剣に、そして楽しそうに議論されている姿がとても印象的でした。

模擬授業実施後は、
どういった点を意識し授業を組み立てたか、その授業設計について
ご説明があったのち、職員のみなさまからの感想をお伺いしました。

大学では、授業後にアンケートをとり学生による振り返り結果を
授業や教員の評価とすることが多いという現状がよく聞かれます。
しかし学習者の評価は、その時の感情や環境など様々要因により異なります。

そこで授業の正しい評価を行うためには、学習効果を測るテストを実施する
必要性がある、というお話がありました。
(ただし、学んだことが活かせるようなテストである必要があります)

向後先生の言葉で印象に残っているのが、
「テストの点数が悪いのは教えるほうが悪い」
つまり、学習者ができないのは学習者だけの責任ではなく、
教えるほうの改善が必要だということです。

今回の4時間のセミナーを通じて、学習を動機づけるための手法や、
授業の設計から評価までのプロセスを学んでいただきました。

ぜひ現場や日常生活の中で今回の学びを活用いただけましたら幸いです。
ご参加いただきありがとうございました!

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